「最近、ディズニーランドやシーの料金が上がりすぎて、気軽に行けなくなった」と感じていませんか。
多くの人が、ディズニーのチケットは高すぎると感じており、パーク内での食事も高いことから、出費がかさむ一方です。
このような状況から、貧乏な家庭はもう行けないと嘆く声があります。
この記事では、なぜディズニーリゾートの価格が高騰し続けているのか、その背景にある運営会社の戦略を、具体的なデータと共に詳しく解説していきます。
この記事で以下のことが分かります。
ポイント
- ディズニーリゾートの各種料金が値上がりしている具体的な実態
- なぜディズニーの価格が高騰し続けているのか、その背景
- 運営会社オリエンタルランドの経営戦略と業績
- 今後のディズニーとの付き合い方のヒント
ディズニーが高すぎる!行けないと感じる5つの理由
- ディズニーのチケットが高すぎて気軽に買えない
- パーク内の食事も高いため節約が必須に
- 公式ホテルは値上げしすぎで手が届かない
- バケパも高すぎて選択肢に入らない
- 貧乏だと家族ではもう行けないとの声も
ディズニーのチケットが高すぎて気軽に買えない
東京ディズニーリゾートのパークチケットは、ここ数十年で価格が大幅に上昇し、多くの人が「高すぎる」と感じるようになりました。
特に、週末や長期休暇などの繁忙期には価格が最大10,900円に達することもあり、かつてのように気軽に購入できる金額ではなくなっています。
チケット価格の推移
過去の価格と比較すると、値上がりの実態は一目瞭然です。
1995年頃の1デーパスポート(大人)は4,800円でしたが、約30年で価格は2倍以上に跳ね上がりました。
下の表は、主な時期の価格推移をまとめたものです。
年度(時期) | 1デーパスポート(大人)料金 |
---|---|
1983年 | 3,900円 |
1996年 | 5,100円 |
2015年 | 6,900円 |
2020年 | 8,200円 |
2021年10月 | 最大9,400円 |
現在 | 7,900円~10,900円 |
最近は「ディズニーは特別な日の贅沢」という認識が広まり、以前のように頻繁に訪れることが難しくなったと感じる人が増えているのです。
パーク内の食事も高いため節約が必須に
パークチケットだけでなく、東京ディズニーリゾート内で提供される食事や飲み物の価格も年々上昇しており、滞在中の出費を押し上げる大きな要因となっています。
レストランでの食事はもちろん、ワゴンで販売されている軽食でさえ、市価と比較すると割高に設定されています。
運営会社であるオリエンタルランドの公開データによると、ゲスト1人あたりの飲食販売収入は、1997年の1,851円から2025年には3,362円へと約1.8倍に増加しました。
例えば、パーク内で販売されているペットボトルの飲料は250円程度、人気のポップコーンはレギュラーボックスで400円と、コンビニやスーパーマーケットで購入する場合の1.5倍から2倍以上の価格です。
一日中パークで過ごす場合、少なくとも昼食と夕食の2食が必要になり、さらに飲み物やスナックを購入すれば、飲食代だけで1人あたり数千円の出費は避けられません。
公式ホテルは値上げしすぎで手が届かない
パーク体験を最大限に楽しむためにディズニーホテルへの宿泊を夢見る人は多いですが、その宿泊料金もまた、多くのゲストにとって大きな壁となっています。
「値上げしすぎで手が届かない」という声が上がるほど、ディズニーホテルの価格は高騰を続けているのが実情です。
価格上昇の背景には、いくつかの要因が絡み合っています。
高付加価値化とブランド力
ディズニーホテルは単なる宿泊施設ではなく、パークの世界観を延長したエンターテイメント空間として位置づけられています。
キャラクターをテーマにした客室や、宿泊者限定の特典(ハッピーエントリーなど)を提供することで、高い宿泊料金に見合うだけの特別な体験価値を創出しています
この強力なブランド力が、高価格設定を可能にしているのです。
新規ホテルの開業
2024年に開業した「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」のような、より豪華で高価格帯のホテルが登場したことも、全体の平均客室単価を押し上げる一因です。
オリエンタルランドの決算資料によると、2025年3月期のディズニーホテルの平均客室単価は64,886円と、前年から1万円以上も上昇しました。
これらの理由から、ディズニーホテルへの宿泊は一部の富裕層や熱心なファン向けの贅沢な選択肢となり、多くの人にとっては「憧れのまま終わってしまう」存在になりつつあります。
そもそもとして、ディズニーホテルの客室稼働率93%とか異常事態なんですよ
毎日のように全ての部屋が埋まるなんて普通あり得ないし、そもそも機会損失です
宿泊代が低すぎることが要因なので、もっと値上げして稼働率を下げるべきです
80%くらいかな?(グランドシャトーは50%くらい)
— ニコート(D系YouTuber) (@kou_kirishiro) December 2, 2024
バケパも高すぎて選択肢に入らない
「バケーションパッケージ(バケパ)」は、パークチケットやホテルの宿泊に、アトラクションの優先利用券やショーの鑑賞券などがセットになった公式の宿泊プランです。
時間を有効活用し、ストレスなくパークを満喫できるため非常に魅力的なパッケージです。
しかし、その価格は「高すぎる」の一言に尽き、多くのゲストにとって現実的な選択肢とは言えません。
バケパの価格は、選択するプランや時期、人数によって大きく異なりますが、一般的には1人あたり10万円前後から、豪華なプランになると数十万円に達することも珍しくありません。
貧乏だと家族ではもう行けないとの声も
これまでに見てきたチケット、食事、ホテルの価格高騰は、特に子育て世代の家計を直撃しています。
「貧乏だと、もう家族でディズニーには行けない」という切実な声は、決して大げさなものではありません。
ここで、具体的な家族旅行の費用をシミュレーションしてみます。
【シミュレーション】4人家族(大人2人、中人1人、小人1人)が土曜日に日帰りでディズニーランドへ行く場合
- チケット代:
- 大人: 10,900円 × 2人 = 21,800円
- 中人: 9,000円 × 1人 = 9,000円
- 小人: 5,600円 × 1人 = 5,600円
- 合計: 36,400円
- 食事代(昼・夜・軽食):
- 1人あたり約4,000円 × 4人 = 16,000円
- お土産・グッズ代:
- 家族で控えめに購入しても 10,000円程度
- 交通費(首都圏からと仮定):
- 往復で約4,000円
日帰りでも、総額は約66,400円となります。
もし、これにディズニー・プレミアアクセスを1回(2,000円/人)追加すれば、さらに8,000円が加算されます。
遠方から訪れてホテルに宿泊するとなれば、費用は軽く10万円を突破し、20万円近くになることも十分に考えられます。
15年前くらい
ディズニーランドホテルに家族で泊まれば十分楽しめたけど、今は同じ遊び方をするのに家族全員分を支払うのはきつい
うちの業界の賃金が上がっていないせいでうちが貧乏なのか
それともディズニーリゾートが富裕層をターゲットに変えたからなのか前者かぁっ…くぅぅっ!!
— だいちゃん (@OhYear_m) August 8, 2025
ディズニーランドが高すぎて行けない背景にある価格戦略
- プレミアアクセスなど課金で金取りすぎとの批判
- 最近のディズニーはおかしい、高いだけ?
- 一方でオリエンタルランドは過去最高益を更新
- 高すぎて二度と行かないと決意するファンも
- ディズニーが高すぎて行けない現状と今後の展望
プレミアアクセスなど課金で金取りすぎとの批判
チケット代の値上げに加え、ゲストの不満を増幅させているのが、2022年から導入された「ディズニー・プレミアアクセス(DPA)」です。
これは、人気アトラクションを短い待ち時間で体験し、ショーパレードを優先席で観賞できる有料サービスです。
しかし、このシステムに対しては「金取りすぎだ」という厳しい批判が絶えません。
DPAの料金と対象施設(一例)
- 美女と野獣“魔法のものがたり”:2,000円/回
- ソアリン:ファンタスティック・フライト:2,000円/回
- ベイマックスのハッピーライド:1,500円/回
- パレード鑑賞エリア確保:2,500円/回
※料金は1人あたりの金額です。
ただし、他のゲストより快適なサービスを受け取りたいなら、課金をするのは当然という意見もあります。
最近のディズニーはおかしい、高いだけ?
「最近のディズニーはおかしい」「ただ高いだけ」といったファンの嘆きは、単なる価格への不満だけでなく、パークの在り方そのものへの疑問を含んでいます。
この価格高騰の背景には、運営会社オリエンタルランドの明確な経営戦略の転換があります。
その戦略とは、「量より質へ」のシフトです。
かつては、できるだけ多くのゲストをパークに呼び込み、薄利多売で収益を上げるモデルでした。
しかし、コロナ禍を経て、混雑によるゲストの満足度低下や、オーバーツーリズムといった問題が顕在化しました。
そこでオリエンタルランドは、戦略を大きく転換します。
チケット価格を引き上げ、単価の高い有料サービス(DPAやバケパなど)を拡充することで、あえて客層を絞り込み、一人当たりの売上高(客単価)を最大化する方針へと舵を切ったのです。
言ってしまえば、「たくさんのお金を払ってくれるゲストに、より快適で満足度の高い体験を提供しよう」という考え方です。
この戦略は、USJをV字回復させた森岡毅氏が提唱するような、現代のレジャー産業における一つのトレンドでもあります。
しかし、この戦略は、長年ディズニーを愛してきたファンにとっては、「誰にでも開かれた夢の国」という理念から離れてしまいます。
ディズニーの運営も理念と現実の間に挟まれて四苦八苦していると思われます。
一方でオリエンタルランドは過去最高益を更新
ゲストからは価格高騰に対する不満の声が上がる一方で、運営会社である株式会社オリエンタルランドの業績は絶好調です。
一連の価格戦略が功を奏し、同社は過去最高の収益を記録しています。
具体的には、2025年3月期の連結決算において、以下の通り驚異的な数字を叩き出しました。
オリエンタルランド 2025年3月期 連結決算(概要)
- 売上高:6,793億円(前年同期比 +9.8%)
- 営業利益:1,721億円(前年同期比 +4.0%)
- 純利益:1,241億円(前年同期比 +3.3%)
これらの数値は、売上高、各利益ともに過去最高を記録するものです。
また、この好業績は、働くキャスト(従業員)の待遇改善にも繋がっています。
オリエンタルランドは準社員(アルバイト)の時給を継続的に引き上げており、人材確保とサービスの質維持に努めています。
企業経営の視点から見れば、現在の価格戦略は「大成功」と言えるでしょう。
高すぎて二度と行かないと決意するファンも
企業の経営戦略としては成功している価格高騰ですが、その代償として一部の長年のファンがディズニーリゾートから離れていっています。
「高すぎて、もうついていけない」「夢の国ではなく、金持ちの国になった」と感じ、「二度と行かない」と決意する人が現れているのです。
ファンが離れる理由は、単に金銭的な問題だけではありません。
そこには、「お金で体験に差がつくこと」への失望感があります。
無料のファストパスがなくなり、有料のDPAが導入されたことで、パーク内には「お金を払った人と払わない人」という明確な線引きが生まれました。
このようにして、ディズニーリゾートは収益を最大化する一方で、これまでブランドを支えてきた大切なロイヤルカスタマーの一部を失いつつあります。
この「ファン離れ」が今後どのような影響を及ぼすのか、注意深く見守る必要があります。
ディズニーのバケパ最高だけど高いよね…そもそも1年以上ランドもシーも行けてないけど…😭
FSも結局バタバタで1回も行けてない😢
仕方ないけど、1年以上ディズニー行かないなんて生まれて初めて…— あや(●'w'●)🌟🌙 (@aya_oshigasuki_) September 26, 2025
ディズニーが高すぎて行けない現状と今後の展望
この記事では、ディズニーリゾートの価格が高騰し、「高すぎて行けない」と感じる人が増えている現状とその背景を解説しました。最後に、記事の要点をリスト形式でまとめます。
- 現在のチケット価格は変動制で最大10,900円に達する
- パーク開園当初と比較するとチケット代は約2.8倍に高騰
- 食事やグッズなどの客単価も上昇傾向が続いている
- 公式ホテルは高付加価値化が進み平均客室単価も大幅アップ
- バケーションパッケージは高額で一部の層向けのサービスに
- 無料だったファストパスは廃止され有料のプレミアアクセスが登場
- プレミアアクセスは1回1,500円から2,500円の追加課金が必要
- 価格戦略は「量より質」へとシフトし客単価の最大化を目指す
- この戦略はレジャー産業全体のトレンドでもある
- 運営会社のオリエンタルランドは価格戦略が奏功し過去最高益を更新
- 2025年3月期の純利益は1,241億円に達した
- 好業績を背景にキャストの時給も引き上げられている
- 一方で価格高騰により一部の長年のファンが離れ始めている
- 「お金で体験に差がつく」システムへの失望感が大きい
- ディズニーが高すぎて行けないという現状は当面続くと予想される