「トムとジェリー」と聞くと、誰もが知るあのアニメーションを思い浮かべることでしょう。
しかし、そのトムとジェリーはディズニー作品なのかと疑問に思ったことはありませんか。
多くの人がディズニーキャラクターと同じように親しんでいますが、実はディズニーじゃないのです。
では、なぜディズニー作品とこれほど似てるのでしょうか。
その背景には、キャラクターや初期の作画のスタイル、そしてアニメーションの歴史そのものが関係しています。
この記事では、トムとジェリーがディズニー作品ではない明確な理由から、本当の制作会社であるワーナーブラザーズとの関係、そして作品の歴史でディズニーとどっちが先だったのかを徹底的に解説します。
さらに、気になる最終回の真相や作品一覧、ディズニープラスでの配信状況、トムとジェリーの服を着てディズニーランドやユニバへ行っても良いのかという疑問、さらには意外な企業とのコラボ事例に至るまで、あなたの「知りたい」にすべてお答えします。
この記事でわかること
ポイント
- トムとジェリーの本当の制作会社とディズニーとの明確な違い
- 両作品が似ている理由と、それぞれの誕生にまつわる歴史的背景
- 「最終回」の真相や、各シリーズを視聴できる配信サービス
- テーマパークでの服装ルールやコラボ商品などの知識
トムとジェリーがディズニー作品かという疑問の答え
- 結局トムとジェリーはディズニーなのか?
- ディズニーじゃない!本当の権利元はワーナーブラザーズ
- なぜディズニー作品とこんなに似てるのか
- 初期に見られる作画とキャラクターの特徴
- 歴史はディズニーと一体どっちが先?
結局トムとジェリーはディズニーなのか?
多くの方が一度は疑問に思うかもしれませんが、トムとジェリーはディズニー作品ではありません。
世界中で愛されているキャラクターであるため、ミッキーマウスなどと同じディズニーファミリーだと考えてしまう気持ちもよく分かります。
しかし、その誕生から現在に至るまで、制作や配給の歴史においてウォルト・ディズニー・カンパニーが関わった事実はないのです。
トムとジェリーは、アカデミー賞を7回も受賞するなど、アニメーション史において非常に高く評価されている独立した作品です。
そのユーモラスで時に過激なドタバタ劇は、ディズニー作品が持つ世界観とはまた違った独自の魅力を持っています。
したがって、トムとジェリーはディズニーとは異なる歴史と背景を持つ、偉大なアニメーションシリーズである、というのが明確な答えになります。
次の項目では、では一体どこが制作しているのか、その権利の変遷について詳しく見ていきましょう。
ディズニーじゃない!本当の権利元はワーナーブラザーズ
トムとジェリーの権利の歴史は少し複雑ですが、順を追って見ていくと明確に理解できます。
誕生はMGMスタジオ
トムとジェリーが最初に生まれたのは、1940年のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)のスタジオでした。
当時、アニメーション業界を席巻していたディズニーに対抗すべく、MGMはウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラの二人を起用し、新しいカートゥーンの制作に着手します。
こうして、ネコとネズミの追いかけっこをテーマにした記念すべき第1作『上には上がある』が公開されました。
ターナーからワーナーブラザーズへ
その後、MGMは経営方針の変更によりアニメーション部門を閉鎖します。
そして1986年、メディア王テッド・ターナーがMGMの映画ライブラリを買収したことで、「トムとジェリー」の権利はターナー・エンターテインメントの手に渡りました。
さらに時代は進み、1996年にターナーの会社がタイム・ワーナー(現在のワーナー・ブラザース・ディスカバリー)に買収されます。
この買収に伴い、「トムとジェリー」の権利もワーナー・ブラザースが所有することになりました。
このような理由から、現在のトムとジェリーに関する公式ウェブサイトの運営、新作アニメの制作、関連グッズの販売などは、すべてワーナー・ブラザースによって行われています。
ディズニーではない制作会社が、この人気シリーズを支えているのです。
なぜディズニー作品とこんなに似てるのか
トムとジェリーがディズニー作品ではないにもかかわらず、なぜこれほどまでに似ていると感じるのでしょうか。
その理由は、当時のアメリカのアニメーション業界の状況と、作品のルーツにあります。
1930年代から40年代にかけて、アメリカのアニメーション界はディズニーが確立したスタイルが大きな基準となっていました。
多くのスタジオがディズニーの成功に追随しようと、その技術や表現方法を研究し、取り入れていたのです。
トムとジェリーの生みの親であるウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラも、ウォルト・ディズニーと並び称されるほどの天才アニメーターでした。
彼らはディズニーの滑らかなキャラクターの動きや豊かな表情表現といったスタイルをリスペクトしつつ、そこに独自のユーモアとスピーディーなギャグを融合させました。
言うなれば、ディズニーから受けた影響を自分たちのスタイルで昇華させ、時にはディズニー作品のパロディとさえ思えるような、新しいエンターテインメントを創り上げたのです。
これが、両作品が似ていると感じられる最大の理由と考えられます。
初期に見られる作画とキャラクターの特徴
トムとジェリーがディズニー作品と似ていると感じる背景には、具体的な作画や設定の共通点も挙げられます。
特にディズニーが1935年に発表した短編アニメ『三匹の親なし子ねこ』には、トムとジェリーの原点ともいえる要素がいくつも見られます。
例えば、この作品に登場する子猫たちは、ミッキーマウスのように二本足で歩いて言葉を話すキャラクターではなく、リアルな四つ足の猫として描かれています。
これは、初期のトムの描き方と非常によく似ています。
また、作中に登場するお手伝いさんは、顔が見えず足元だけが映る大柄な黒人女性として演出されていますが、これもトムとジェリーに登場する「お手伝いさん」の描写とそっくりです。
小動物の視点から人間を描くという手法が、この時点で既に存在していたことがわかります。
さらに、ピアノの鍵盤の上を走り回ったり、ハンマーに叩かれたりといったドタバタ劇も共通しています。
これらの要素から、ハンナとバーベラがディズニー作品を研究し、そのスタイルを作品作りに活かしていたことがうかがえます。
ただし、トムとジェリーはデビュー作からアカデミー賞にノミネートされるなど、当初から独自の魅力とクオリティを確立していました。
第1作ではトムは「ジャスパー」、ジェリーは「ジンクス」という名前で、外見もより本物の動物に近いデザインだったことも、初期の作品ならではの特徴です。
歴史はディズニーと一体どっちが先?
作品の誕生した歴史を比較すると、ディズニーの方が先に世に出ていることが分かります。
ウォルト・ディズニー・カンパニーの象徴であるミッキーマウスがスクリーンデビューを飾ったのは、1928年公開の『蒸気船ウィリー』です。
この作品は世界初のトーキー(音声付き)アニメーションとしても知られ、アニメ史における大きな転換点となりました。
一方、トムとジェリーの第1作である『上には上がある (Puss Gets the Boot)』が公開されたのは1940年2月10日です。
このように時系列で比較すると、ミッキーマウスの誕生はトムとジェリーよりも12年ほど早いということになります。
ディズニーがアニメーションの基礎を築き、その土壌の上でMGMが新たなスターとしてトムとジェリーを誕生させた、という流れで捉えると分かりやすいかもしれません。
トムとジェリーとディズニーに関する様々なQ&A
- 衝撃の最終回はある?作品シリーズ一覧
- ディズニープラスで配信はされている?
- トムとジェリーの服でディズニーランドやユニバへ行ってもいい?
- 意外な企業とのコラボレーション事例
- まとめ:トムとジェリーとディズニーの関係性
衝撃の最終回はある?作品シリーズ一覧
トムとジェリーについて語られる際、「実は悲しい最終回がある」といった噂を耳にすることがありますが、公式に定められた最終回というエピソードは存在しません。
これは、トムとジェリーが特定のストーリーで完結する物語ではなく、一話完結型の短編アニメーションシリーズとして制作され続けてきたためです。
トムとジェリーは80年以上にわたり、時代の変化と共に様々なシリーズが作られてきました。
制作者や制作スタジオが変わることで、作画のスタイルやキャラクターの雰囲気が少しずつ異なっているのが特徴です。
ここでは、代表的なシリーズを一覧表でご紹介します。
製作年 | 主な制作者 | 特徴 |
1940年~1958年 | ウィリアム・ハンナ ジョセフ・バーベラ | 最も有名で、アカデミー賞を多数受賞した黄金期。滑らかなフルアニメーションとオーケストラ音楽が特徴。 |
1961年~1962年 | ジーン・ダイッチ | チェコスロバキアで制作。ぎこちない動きとシュールな作風で、賛否両論あるがカルト的な人気を誇る。 |
1963年~1967年 | チャック・ジョーンズ | 『ルーニー・テューンズ』の監督が制作。キャラクターの眉が太くなるなど、独特のデザインに変化。 |
1975年~現在 | ハンナ・バーベラ ワーナー・ブラザース | 暴力描写の規制などテレビ放送を意識した作品が増加。『キッズ』や『ショー』など、現在も新作が制作されている。 |
このように、トムとジェリーには「終わり」はなく、常に新しい形で私たちの前に現れ続けているのです。
噂されている「最終回」は、ファンが作った二次創作か、あるいはシリーズの一つのエピソードが誤って解釈されたものと考えられます。
ディズニープラスで配信はされている?
前述の通り、トムとジェリーはディズニー作品ではないため、ディズニーの公式動画配信サービスであるディズニープラスでは視聴することはできません。
ディズニープラスで検索しても、作品は表示されないので注意が必要です。
では、どこでトムとジェリーの様々なシリーズを視聴できるのでしょうか。
2025年現在の主な動画配信サービス(VOD)での配信状況によりますと、U-NEXTやAmazonプライム・ビデオ、Hulu、Netflixといった主要なサービスで多くのシリーズが見放題またはレンタルで配信されています。
特にU-NEXTは、クラシックな短編から近年のテレビシリーズ、長編のOVA作品まで、非常に多くの「トムとジェリー」関連作品を網羅している傾向があります。
多くのサービスには無料トライアル期間が設けられているため、それを利用して様々なシリーズを見比べてみるのも楽しいかもしれません。
視聴したいシリーズが決まっている場合は、登録前に各サービスの公式サイトで配信状況を確認することをおすすめします。
トムとジェリーの服でディズニーランドやユニバへ行ってもいい?
トムとジェリーの可愛らしいTシャツやパーカーを着て、テーマパークへお出かけしたいと考える方もいるでしょう。
ここで気になるのが、「ディズニーランドに他社キャラクターの服を着て行っても良いのか?」という点です。
結論から言うと、個人のファッションの範囲内であれば、トムとジェリーの服を着てディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(ユニバ)へ入場することは問題ありません。
パーク側が他社キャラクターの衣服の着用を明確に禁止しているわけではないため、入場を断られるようなことはまずないでしょう。
ただし、注意点が一つあります。
それは、キャラクターになりきる「仮装」に関するルールです。特にハロウィンイベント期間外に、キャスト(従業員)や他のゲストにキャラクター本人と間違われるような、全身の本格的な仮装をして入場することは、安全上の理由から禁止されています。
Tシャツやアクセサリーなど、あくまで普段着のファッションとしてトムとジェリーのデザインを取り入れるのであれば、まったく心配する必要はありません。
夢の国では、周囲の目を気にしすぎず、自分が楽しいと思う服装で過ごすのが一番です。
意外な企業とのコラボレーション事例
トムとジェリーは、その知名度と幅広い世代からの人気を背景に、様々な企業やブランドとコラボレーションしています。
日本では、特に地方銀行のイメージキャラクターとして長年親しまれてきました。岐阜県の十六銀行、高知県の四国銀行、青森県のみちのく銀行(2024年まで)などで、通帳やキャッシュカード、広告などにトムとジェリーがデザインされ、地域住民にとっては身近な存在となっています。
また、過去には食品や自動車、家電製品のテレビCMに起用されたり、アパレルブランドからTシャツや雑貨が販売されたりすることも頻繁にあります。
近年では、誕生80周年を記念した大規模な展覧会『トムとジェリー展』が全国を巡回したり、日本初の音楽劇が公演されたりと、イベントでのコラボレーションも活発です。
これらの多様なコラボ展開は、トムとジェリーが特定の会社のキャラクターという枠を超え、一個の文化的なアイコンとして社会に広く受け入れられている証と言えるでしょう。
まとめ:トムとジェリーとディズニーの関係性
- トムとジェリーはディズニー作品ではない
- 1940年にMGMスタジオで誕生したアニメーションである
- 現在の公式な権利元はワーナー・ブラザース
- ディズニー作品と似ているのは当時のアニメ業界の流行やスタイルを反映しているため
- 創作者のハンナとバーベラはウォルト・ディズニーと並び称される天才だった
- 歴史的にはディズニーのミッキーマウスが12年早くデビューしている
- トムとジェリーには公式に定められた「最終回」は存在しない
- 時代ごとに制作者が変わり複数のシリーズが制作され続けている
- ハンナ=バーベラ期が最も有名で評価が高い黄金期とされる
- 動画配信サービス「ディズニープラス」では視聴できない
- U-NEXTやAmazonプライム・ビデオなどで多くのシリーズが配信されている
- トムとジェリーの服を着てディズニーランドやユニバに入場することは可能
- ただしキャラクター本人と誤解されるような本格的な仮装はルール違反の場合がある
- 日本の銀行をはじめ、様々な企業やブランドとコラボレーションを展開している
- アカデミー賞を7回受賞しており、これはディズニー作品以上の快挙である